卒業生メッセージ

坂口 七海翔さん

東京海洋大学 大学院 修士2年(2023年現在)

自分で覗かないと、見えない世界。
挑戦を続けることで、見える景色。

海の風を感じる。まだ小学生のころ、初めて鎌女に訪れたとき、そのロケーションに惹かれました。もともと、海が好きだったんです。小さなころ、親と一緒に釣りに出掛けたときに、ホウボウという魚を釣り上げました。陽の光を浴びて反射するその胸ビレは、地上では見たこともない美しい色を放っていて。海が秘める未知の領域に、幼いながらにロマンを感じていたんです。

 

だから、鎌女のプログラムで印象的なのは、高校2年のときの沖縄研修。修学旅行として沖縄に訪れるのですが、その際に沖縄に関するレポートを作成するんです。テーマは自由ですが、私はぜったい海のことがやりたいと思って、「沖縄の海の危険生物」をテーマにしました。リサーチを進めるなかで、ハブクラゲという、沖縄の有毒生物に出会いました。ふよふよと神秘的な見た目にも惹かれ、さらに調べていくうちに、クラゲの生態に興味を持つようになりました。

 

この研修をきっかけに、本格的に海洋生物研究に打ち込む決心が固まり、もともと志望していた東京海洋大学への進学を心に決めました。国立大学ということもあり、試験科目も多く、決して楽な道のりではありませんでした。私はよく、自分に厳しい目標を設定して苦しむところがあり、受験もそのひとつだったと思います。ただ、鎌女の先生方は、学習面のサポートだけでなく、「大丈夫だよ」と気さくに励ましの言葉をかけてくださり、それでほっと心が救われたことを覚えています。

 

無事に合格を果たしたときは「ついに大好きな海の研究に打ち込める!」と胸が弾みました。海洋大での毎日は想像以上に刺激的で、今も大学院で研究を続けています。研究対象は、クラゲ。種や環境によって異なる生活史を持つ、彼らの「未知」を解き明かすべく、日々研究の毎日です。

 

自分で覗いてみないと、見えない世界がある。海も、人生も同じことだと思います。挑戦したその先で見える景色が、どれだけ素晴らしいか。だから、その挑戦を後押ししてくれる人って、とても大切な存在だと思います。私にとっては、それが鎌女の先生方でした。