高校2年 アカデミックレクチャー
2025.01.20
高校3年生の皆さん、2日間の共通テストお疲れさまでした。
11年ぶりに源氏物語が出題されたと話題になっていますね。
今回の鎌女日誌は、遅くなりましたが昨年12月の高校2年生のアカデミックレクチャーの報告です。
高校生には「アカデミックレクチャー」として、大学の講義のような「学問に触れる時間」が年に2回ほど設けられています。
そのうちの1回を、毎年、早稲田大学文学学術院教授の陣野英則先生にお願いしているのですが、今回の講演テーマは「『紫式部日記』を読み解く」でした。
大河ドラマの話から始まり、『源氏物語』の作者である紫式部の姿、伝説、名前について、生徒たちに質問を投げかけて考えさせながら講義を進めてくださる参加型の形式で、当時の物語というものがどういう前提のものなのか、『源氏物語』について『紫式部日記』から何が分かるか、といった普段の授業での古文の触れ方とは異なる視点で古文に触れるという内容でした。現代の日本は女性の社会進出の割合が低いとニュースで言われていますが、紫式部による中宮彰子への漢詩文教育があったことから、平安時代は実は中宮も積極的に社会や政治に関わろうとしていたことが考えられると、時事的で女子校に合致したお話も入れてくださいました。
今回の講義を踏まえて、生徒たちは文学への興味、そして文学研究への興味が大いに湧いたようでした。講義後の質疑応答でも研究する時の視点を尋ねており、進路を見据えて講義を聞いていたことが窺えました。
今回の講義が『源氏物語』や『紫式部日記』の枠を超えてより深くて高いところの興味・関心を引き起こしてもらえたようだったので、生徒たちの将来が楽しみになるひと時でした。